大学に通う為、名古屋に来て一人暮らしを始めたのは、言うの頃だったか?とか言いながら、当たり前のことながら、入学した歳はハッキリしているので、わかるのだけどね。しかし、まあ、随分と前の事であるのは確か。
その際、一台の扇風機を持ってきた。その扇風機、確か、幼稚園?小学生低学年?兎に角、それくらい前に購入したものだったから、既に10年以上は使用していた。その時代では、随分と先端にあったのかも知れない機能が付いていた。カバーの部分に手が触れると、(多分、電気の流れで)扇風機が一旦停止し、手を離すと再び動き出す。そんな安全装置が備わっていた。
その、長年使用した、愛着のある扇風機。ある夏。スイッチを入れた途端、「ブンッ」と音がしたと同時に、二度と動かなくなった。・・・寿命だろう。だって、10年以上、20年近く活躍したのだから。
その頃、夜中にバイト。明け方帰宅して仮眠。大学に行って、バイトに行って、再び明け方に・・・。そんな生活をしていたので、朝、或いは、授業のない昼間に睡眠をとっていた。当然クーラーなんかない。そこで活躍していたのが扇風機だったのだが、それがない。
暑い。ムチャクチャ暑くて、眠れない。その所為で(?)、それまで呑めなかったビールを覚えてしまった。まずは、100ml缶。350ml。500mlと、呑める量が増えていった。
そしてとうとう、生涯(で俺が個人的に使用した)扇風機の二代目が家にやってきた。
それも随分長くしよう。昨年末に引っ越すまでの、長い間使用。そして、それも寿命が来て、今回、なんと三代目が家に来た。
もう、半年振りの扇風機との対面。スイッチオン。「フー・・・ン・・・。」静かな回転。「涼しい。」いや何て言うか、気持ちがいい。忘れていた。この心地よい風。何より、何だか、風流な感じ。落ち着く。
こりゃ、今年は、クーラーなんかいらない・・・か?
まだ、夏、真っ盛りじゃないから、言い切れないけどね。
さて、三代目は、どれくらい長く付き合えるだろうか?せめて10年は、共に夏を過ごしたい。